地域によって、注文住宅にかかる費用相場が異なります。そのため、全国平均を確認するよりも「住んでいる地域の費用相場」を調べたほうが、賢くマイホームを建てられるでしょう。そこで今回は、福岡市で注文住宅にかかる費用相場をまとめてみました。補助金や住宅関連の制度についても紹介しているので、マイホームを検討している方はぜひ参考にしてください。
福岡市で注文住宅にかかる費用相場は?
注文住宅を建てるには、土地代+建築費用+諸費用が必要になります。そのため、建築費用だけを考えて資金計画を立ててしまうと、建てたあとが大変です。ここでは、福岡市で注文住宅を建てる場合にかかる費用相場について紹介します。
土地取得費+坪単価
土地取得費とは、土地を購入する際にかかる費用です。購入代金・造成費用・測量費・仲介手数料・各種税金などが含まれており、地域によって差があります。住宅金融支援機構「フラット35利用者調査」によると、2024年度の福岡市の土地取得費は1,293万円です。前年の1,230万円より少し高くなっていますが、全国平均(1,495万円)と比べると安く、敷地面積も広い傾向にあるでしょう。
一方で、福岡市の2025年5月の坪単価は792.727円/坪です。前年からの変動率は+9.0%と過去最高値を記録しており、2013年から12年連続で上昇しています。上昇幅も高くなっているため、住宅需要なども高まっているでしょう。
建築費用+坪単価
建築費用とは、注文住宅を建てる際の「建物本体の工事費」と「付帯工事費」を合わせたものです。足場の組み立てから空調工事までを含み、これらの消費税を加えて構成されます。また建築費用は、土地ありor土地なしでも大きく変わってきます。土地ありの場合、土地も一緒に購入するため、土地なしより費用は割高です。
しかし福岡市は建物に費用をかける傾向があることから、土地なしでも全国平均や九州北部と比べるとやや高くなっています。その代わり延床面積は全国・九州北部とほぼ同じ水準、敷地面積は九州のほうが広めでしょう。
諸費用の相場
注文住宅における諸費用とは、住宅ローン借入費用・登記費用・仲介手数料です。それぞれ支払うタイミングや金額は項目によって異なり、これらの費用が土地購入や建築の際に含まれます。もう少し詳しく見てみましょう。
土地購入にかかる諸費用は、仲介手数料・登記費用・固定資産税・都市計画税・印紙税などです。不動産会社に土地を紹介してもらうため、その際の手数料が発生します。
ただし、上限は売買価格によって異なり、200万円以下の場合は「物件価格×5%×1.1(消費税)」、400万円超の場合は「(物件価格×3%+6万円)+1.1(消費税)」です。
登記費用は、所有権移転登記にかかる登録免許税のことで、2023年3月31日までの軽減措置を適用すると「土地の評価額×1.5%」が必要になります。また、ローンを組む際も借入額に対して抵当権設定登記がかかってくるでしょう。
固定資産税+都市計画税は、土地購入時かかる税金です。2024年3月31日までの軽減措置を適用する場合は、土地の評価額×1/2×3%も含まれます。印紙税も、軽減措置(2022年3月31日まで)を適用すると1,000~5,000万円の土地は1万円の印紙代が必要です。
このほか、中古住宅を解体する場合は「解体費用」もかかってくるので注意しましょう。
一方で建築の際にかかる諸費用は、地盤改良費・水道加入金・登記費用・印紙税・地鎮祭・引っ越し代などです。さらに、住宅ローンを契約する際も保証料や火災保険料、登記費用などの諸費用が必要になります。
諸費用の相場は、建築費用+土地取得費を合わせた金額の10%前後です。たとえば、1,500万円の土地と2,500万円の注文住宅を購入した場合、総額は4,000万円、諸費用は約400万円となります。
諸費用を抑えることができれば、お得に注文住宅を購入できるでしょう。
人気エリアの土地相場
福岡県には、福岡市以外にも注文住宅の購入に人気のあるエリアが存在します。以下の土地取得費は、国土交通省による公示価格の住宅地平均価格です。福岡県の平均敷地面積200~300㎡に換算して表記しているので、福岡県で注文住宅を検討している方は参考にしてください。
福岡県第2の政令指定都市である北九州は、国内外への交通網に恵まれた人気の高いエリアです。繁華街を含むエリアはやや平均相場より高めですが、郊外は平均的な価格の土地が多く、土地相場は1,110~1,665万円となっています。
ファミリー層に人気がある福津市は、福岡市と北九州市の中間に位置しています。土地相場は1,236~1,854万円、大規模な開発が進んだことで近年は若い世代も増加中です。
福岡市から少し離れた那珂川市は、豊かな自然が多く住みよいエリアとして人気があります。都市部へのアクセスが容易なので、通勤通学や買い物でのストレスも少ないでしょう。
人口増加によって2018年に筑紫郡那珂川町から那珂川市に昇格しており、土地相場は1,610~2,415万円です。
県の最西部にある糸島市は、自然豊かなスポットが多数あるエリアです。福岡市と隣接しているためアクセスしやすく、ほどよい田舎暮らしを堪能できます。土地相場も942~1,413万円と他エリアと比べて低めでしょう。
福岡県第3の都市に挙がる久留米市は、利便性と自然のバランスがよく、都市部へのアクセスが良好です。ベッドタウンとして発展したことから、買い物環境にも恵まれています。土地相場は1,126~1,689万円です。
福岡市で比較的リーズナブルな土地を購入したい方は、郊外がおすすめです。他エリアのように1,000万円台で購入できる土地はほとんどありませんが、中央区や早見区などに比べると安くなります。
たとえば西区の土地相場は2,740~4,110万円、東区は2,564~3,846万円です。
世帯平均年収+住宅ローン返済額
注文住宅の購入で必要となるのが「住宅ローン」です。住宅ローンは年収によって借入可能額が異なるため、事前にきちんと確認しておきましょう。ここでは、福岡市に住む世帯平均年収と住宅ローン返済額の相場を紹介します。
2024年度版「フラット35利用者情報」によると、福岡県で土地ありの注文住宅を購入した世帯の平均年収は728万円です。全国平均が729万円なので、ほとんど差がありません。
一方で、住宅ローンが組める金額は年収の5~7倍です。収入状況や年齢、住宅ローン以外の借入状況なども影響しますが、世帯平均年収が高い福岡県では、相応の金額を借入できるでしょう。
返済額の相場は、機構買取・付保金平均額が4,373万円、1か月当たりの予定返済平均額は約153万円です。保証料や登記費用などの諸費用もかかるため、資金繰りをする際は注意してください。
予算別に見た注文住宅の特徴と賢いハウスメーカーの選び方
福岡市の建築費用・土地取得費が理解できても、どれくらいの費用をかけられるかは個々によって異なります。予算別に見た注文住宅のクオリティやコストを抑えるポイントを知っておくと、より賢く資金計画が立てられるでしょう。併せて、賢いハウスメーカーの選び方も紹介します。
2,000万円台の注文住宅は、キッチンやバスルームのグレードアップ、ベランダを拡大などが可能になり、部材や建材を自由に選ぶこともできます。
3,000万円台の注文住宅は、ある程度希望に近い間取り・設備・外壁の素材などを取り入れられます。家の形も正方形から長方形まで幅広く、土地の形に合わせてデザインすることも可能でしょう。床暖房の設置やこだわりのある外構も叶いやすいのが特徴です。
賢くコストダウンすれば、予算内でも満足度の高い家に仕上がります。
ポイントは、収納を減らしひとまとめにしたり、水まわりを近くにまとめたりする方法です。「収納をたくさん作りたい」という方が多いと思いますが、収納があちこちにあるとそのぶんコストもかかってしまいます。
またデッドスペースにもなるため、大きなスペースにまとめることでコストダウンにつながるでしょう。
水まわりは、近くに設置すると配管がシンプルになり工事費を抑えられます。このほかにも、ドアや窓の数を減らしたり、和室をなくしたりすることもコストを削減できるでしょう。
工務店・ハウスメーカーを選ぶポイントは、以下のとおりです。
1つ目は、プランの種類と柔軟性です。メーカーによってプランの種類が異なります。種類が多いほどより理想の注文住宅が建てられますが、家族構成やライフスタイルに合ったプランを選べるかどうかもしっかり確認しておきましょう。予算・要望に柔軟に対応してくれることも大切です。
2つ目は、間取りの自由度です。完全自由設計であれば文句なしですが、すべての工務店・ハウスメーカーが採用しているわけではありません。開放感のある吹き抜けや広々としたシューズクローゼットなどこだわりの間取りにしたい方は、施工事例をチェックしたり、相談の際に間取りのアイデアを質問してみるとよいでしょう。
3つ目は、理想のデザインの実現です。注文住宅のデザインにはモダンやナチュラルなどいろんな種類があるため、好みの内観・外観にできるかも工務店・ハウスメーカーを選ぶうえで重要になります。
必ず施工事例を確認し、デザインが好みに合うか確認しておきましょう。
4つ目は、住宅性能へのこだわりです。どんなにデザイン性の高い内観・外観でも、耐久性や耐震性などが疎かだと安全性に欠けます。とくに昨今は各地で地震が相次いでいるため、見た目や間取りだけでなく、住宅性能にもこだわっているところを選びましょう。断熱等級やエネルギー消費量なども、併せて確認しておくと安心です。
5つ目は、土地探しの相談に対応していることです。福岡県はエリアによって土地相場が変動するため、土地ありの注文住宅を購入する場合は、土地探しから相談できる工務店・ハウスメーカーを選びましょう。予算オーバーも防げるので、適正価格での購入も実現できます。このほか、予算と建築費用のバランスも考えて選ぶこともポイントです。
【2025年度版】福岡県に住むなら知っておきたい補助金、住宅に関する制度
マイホームを建てる際に、知っておきたいのが住宅に関する各種制度です。ここでは、2025年の最新情報をまとめています。2025年に使用できる補助金
2025年に使用できる補助金は、長期優良住宅認定・戸建て住宅ZEH化等支援事業・子育てグリーン住宅支援事業・先進的窓リノベ2025事業・給湯省エネ2025事業・令和7年度「福岡県こどもリノベ補助金」・木造戸建て住宅性能向上改修費補助金の7つです。各補助金の条件・対象となる世帯などは、以下を参考にしてください。長期優良住宅認定は、住宅ローン金利の引き下げや税の優遇措置、地震保険料の割引などが受けられます。劣化対策等級3・耐震等級2~3・維持管理等3などが認定基準となり、新築の木造住宅が対象です。
戸建て住宅ZEH化等支援事業は、ZEH住宅55万円/戸・ZEH+住宅90万円/戸が支給され、2025年度は4月28日~12月12日までが一般公募の受付期間になります。
子育てグリーン住宅支援事業は、子どもの年齢が18歳以下の世帯もしくは夫婦の何れかが39歳以下の場合に受けられる補助金です。支給額は「すべての世帯」「子育て世帯」で異なります。
前者はGX志向型住宅160万円/戸、後者は長期優良住宅(住宅を売却する場合)100万円/戸・(それ以外の場合)80万円/戸、ZEH水準住宅(住宅を売却する場合)60万円/戸・(それ以外の場合)40万円/戸となります。
また対象となる住宅は、2024年11月22日以降に着工したものでなければいけません。予算上限に達した場合も申請できないので注意しましょう。
先進的窓リノベ2025事業は、断熱性の高い窓にリフォームする際にかかる費用を補助する制度です。上限は一戸あたり200万円、リフォームすることで省エネ化にもつながります。
給湯省エネ2025事業は、対象となる給湯器を設置した場合に支給され、相場は6~16万円/台です。給湯器の種類によって異なります。
令和7年度「福岡県こどもリノベ補助金」は、子育て世帯もしくは若者世帯が受けられる補助金です。子育て世帯は妊娠中の家族がいる場合でも支給され、若者世帯は夫婦の年齢が合わせて80歳以下の場合に支給されます。
流通型と持家型の2つにわけられ、流通型は子育て世帯・若年世帯と住まいの健康診断を実施した住宅が対象です。持家型は、子育て世帯・若年世帯・何れかの親世帯であることと、親世帯の持家もしくは子育て世帯・若年世帯が同居する予定の住宅が対象となります。
木造戸建て住宅性能向上改修費補助金は、1981年5月以前に建てられた木造住宅に対しリフォーム費用を補助する制度です。リフォームの内容は、耐震壁の設置や基礎接合部の補強などが挙げられ、条件を満たす場合に使用できます。
支給額は自治体によって異なるため、利用する方は事前の確認が必要です。
たとえば福津市の場合、性能向上改修工事を行うと補助率25%(上限30万円)、除却工事を行うと補助率23%(上限30万円)が支給されます。ただし、省エネ改修工事費用の上限は15万円です。
太陽光発電の導入でも補助金が受けられる
福岡県には、省エネ・創エネの導入を支援する自治体も存在します。マイホームを建てる際に太陽光発電の導入を検討している方は、以下の補助金もチェックしておきましょう。1つ目は「福岡市住宅用エネルギーシステム導入支援事業」です。太陽光発電・蓄電池・V2Hなどを導入することで、10~40万円の補助金が受けられます。太陽光発電システムはHEMSの設置も必須となり、申請は工事着手前に行わなければいけません。
2つ目は「太陽光発電システム導入の補助金」です。福岡県内のその他の自治体が実施する制度で、支給額は自治体によって異なります。
たとえば、八女市は太陽光2万円/kW(上限8万円)・蓄電池7万円ですが、筑紫野市は太陽光2.5万円/kW(上限10万円)・エネファーム一律10万円・蓄電池2.5万円/kW(上限10万円)です。
申請の流れと受取について
補助金は、賢く利用することでお得にマイホームが建てられます。条件が決まっているものも多いため、申請の流れと受取方法をきちんと理解しておきましょう。まず、申請にはいくつかの書類が必要です。一般的に申請書や請求書などの指定様式が挙げられますが、ほかにも本人確認書類・納税証明書・工事請負契約書・売買契約書のコピーも準備しなければいけません。
施工写真・領収書・住宅性能の証明書類なども求められるでしょう。
必要書類を揃えたら、申請書を提出し、審査が行われます。申請は本人もしくは住宅事業者の代行にわかれ、タイミングも制度によってさまざまです。そのため、工事着工前に申請が必要になる制度もあれば、工事完了後に申請する制度もあります。
審査が終わると交付が決定するので、そのあと工事→完了報告書の提出→請求書提出の流れで補助金が支給されます。
失敗しないためのポイント
次に、申請と受取で失敗しないためのポイントです。補助金には要件が細かく設定されており、複数の補助金を組み合わせることもできます。とくに国と自治体は併用できる補助金が多いので、条件を満たす場合はぜひ組み合わせてみてください。人気の高い補助金を利用する場合は「予算上限」にも要注意です。各補助金には予算上限が設けられていますが、上限に達すると申請期間中でも申し込みができなくなります。できるだけ早めに申請し、機会を逃さないようにしましょう。
また、補助金は基本的に後払いです。対象となる費用の支払いが終わったあと支払われるので、申請したからといってすぐに受け取れるわけではありません。補助金も含めて資金計画を立てる場合は、そのことも含めて計画しましょう。